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INTERVIEW

『カイジ ファイナルゲーム』は、映画『カイジ』シリーズ9年ぶりの新作となりますが、お二人がお会いになるのはいつ以来ですか?

福本:『カイジ2 人生奪回ゲーム』でカイジが地下から出た仲間と焼肉屋で乾杯するシーンに僕が出てるんですけど、それ以来じゃないですか。あのときにしっかり抱きあって(笑)。
藤原:(笑)。それ以来ですね。

今振り返ると、『1』、『2』はどういう存在ですか? 当時の反響などもあれば。

藤原: 懐かしいです。前作から9年も経ったかという気持ちですね。『カイジ』が公開した当時、お昼に銀座にいたときに、YUIさんの主題歌が町中に流れていて、すごい熱量を感じたんです。多くの人に支持してもらった作品だと感じたと同時に、実写化にあたり叩かれたりしたこともあったんですが、賛否あるのは当然で、やっぱりやらせてもらって良かったなと心から思ったことを今思い出しましたね。
福本:『1』で完全な「カイジ」の世界観を、藤原さん、佐藤(東弥)監督はじめスタッフ・キャストの方々が作ってくれて。僕は『2』から脚本に関わっているんですが、『2』は『1』とはギャンブルも違いますし、登場人物も少し変わっていますが、また完璧に「カイジ」の世界を表現していただきました。そこから今回まで、かなり間は空きましたが、時々テレビで放映されたりもしましたし、皆さんの記憶の中に「カイジ」の世界の印象が残っていて、あまり途切れていない感じがあると思うんです。またあの世界が帰ってきたんだと今回も感じてもらえるのではないかと思っています。

『カイジ ファイナルゲーム』は、シリーズで初めて完全オリジナル脚本作品となりますね。

藤原:9年ぶりに映画をやることになり、原作のどのシリーズの何の話ですかと聞いたら、まず最初に言われたのが、先生のオリジナルで、10本中9本のロープが切れているデスバンジーが出てくる、と。これはまためちゃくちゃな話だし(笑)、それだけで本当に面白いなと思って。いただいた台本は、『1』、『2』もそうですが、現代の人たちに訴えかけるような台詞とスピード感があるお話で、すごく良くできているなと思いました。それに「カイジ」の世界は、常にその先の展開があって飽きさせない。また、優れたエンターテインメントを書いていただいたなと。
福本:多種多様、いろいろな映画がある中で、『カイジ』は例えば、どこか外国のコンクールに出展して賞を獲れるようなタイプの映画じゃないんですよ。ギャンブルを扱う話なのでどうしても作りごとになってしまうし、その中で世の中についての思いや不満を語っても、ステレオタイプになりがちです。でも、ともかくエンターテインメントとして、ハラハラドキドキワクワクできる。そういう、言うなら単純な映画が年に何本かあってもいい(笑)。完成した映画は、後半はもう畳み掛けるような怒涛の展開で、128分という長さを全然感じさせない作りになっていたので、ワクワクしながら観ていましたね。「カイジの世界に戻ってきた」という気持ちでした。
藤原:面白かったですか?
福本:最初は心配していたんですよ。当然、話、内容はわかっていたんですけど、これを映像でどう表現してくれるんだろう、とドキドキして、実は途中まで客観的に観られなかったんですが、後半、『カイジ』の世界に惹きこまれて、楽しめました。
藤原:よかったです。
福本:とにかく思ったのは、これは役者の方が大変だろうなと。
藤原:はい、大変です(笑)。人間秤(最後の審判)のシーンでは、1週間かけてまず片側から撮ったんです。ようやく終わりが見えてきたと思ったら、「はい、それでは明日朝から、逆側から撮ります」と。同じカットをまた何百カット撮る。出口の見えない、地獄のような撮影でした(笑)。
福本:しかもちょっと血管が切れそうな演技ばかり求められるわけじゃないですか。相当大変だと思いますよ。そうしないと、人間秤みたいな話は成立しないんです。本当のリアルとは、もしかしたら違うのかもしれない。でもその中にちょっと原始的な怒りだったり、真理がある。人間秤は、映画でどうなっているんだろうと思っていたシーンの一つで、藤原さんや吉田(鋼太郎)さんはじめ、皆さんで頑張ってもらって何とか乗り切っていただいたと思いました。

藤原さんは、舞台で何度も共演されている吉田鋼太郎さんと映像で対峙していかがでしたか?

藤原:嬉しかったですよ。演劇でずっと一緒に闘ってきた人ですから、『カイジ』シリーズで共演するのが、僕にとっては不思議な感じでしたし、面白くもありました。鋼太郎さんのシェークスピア的な演技が、『カイジ』の世界にドハマりしていて、彼の圧力、熱量、台詞回しがすべてをかっさらっていく。緊張感を一瞬にして与える彼の芝居が、『カイジ』の世界にハマっていて嬉しかったです。
福本:ああいう押しが強い人が『カイジ』にはどうしても必要なんですよ(笑)。逆に言うと、通常の映画の悪役は、もう少し静かな人が多いと思います。
藤原:『カイジ』の世界に、正統派俳優はハマらないと思いますね。ちょっとどこか屈折していて、社会を斜に構えて見ているような人でないと。台詞も含め、通常のセオリー、思想では、やっぱり太刀打ちできない世界ですよね。
福本:『カイジ』は、なんとなく感じてくれっていう映画じゃないんですよ。ガチで命や勝利を求める中で、思いが交錯するという演技ですから。あえて言えば舞台の上での芝居っぽいですよね。舞台もある種濃縮した時間ですから、極論を演じないといけないところがある。『カイジ』もそうで、独特な映画なんじゃないかなと思いますね。

ゴールドジャンケンの撮影も大変だったのでは?

藤原:朝から晩までジャンケンしていました。忘れもしない(新田)真剣佑くんの誕生日に。福士(蒼汰)くんが「(ジャンケン)ポン」にしますか、「(ジャンケン)ほい」にしますかって相談してくれて、いやもうどっちでもいいよって(笑)。ずーっとジャンケンですよ。本当に『カイジ』の世界ってやっぱり疲れるんですよね。エネルギーを使うし、いろんな芸人さんにネタにされたりしますが(笑)、それぐらいの熱量を持って挑まないと成立しない世界ですし、先生の作品はそこが一つのポイントでもあるなと僕は勝手に解釈しているんですけど。

逆に、カイジを演じる面白さは?

藤原:面白いですよ。やっぱり言葉が。いちいち僕らに突き刺さるような台詞を言ってくるから、カイジの台詞は本当に好きですね。演じていて楽しいです。ダメな男なんですけどね。もうちょっと頭の回転を早くしたらカイジはもっと救われるんじゃないかなって、自分で演じていて思うときがあるんですけど(笑)。
福本:カイジは、もうちょっと確認したほうがいいね。特にトランクは一回開けてみたほうがいい(笑)。
藤原:そうなんですよ。いいヤツだから、安心しちゃってすぐビール飲んじゃうんですよね(笑)。安心するのがちょっと早いんですよ。

ひさしぶりの「悪魔的だー!」のシーンはいかがでしたか?

藤原:あのシーンの撮影のときは、照明部と録音部がリハーサルの段階から、にやにやとした表情で僕を見てました。「あ、でるでる」みたいな(笑)。スタッフさんが楽しんでやってましたし、「悪魔的だー!」って台詞を言ったらめっちゃ笑われました。
福本:あの印象的な台詞もそうですが、映画『カイジ』が最初に世に出てから、カイジモノマネたいなものがありますよね。でも、それだけ強烈なキャラクターってなかなか生まれないじゃないですか。それって藤原さんの勲章だと思うんです。
藤原:ありがとうございます(笑)。別の作品の現場でも、「竜也さん、僕カイジやりたいんだよ。カイジの世界が好きだから。次やるとき呼んでくれよ」とかスタッフさんに言われるんですよ。この作品は本当にファンが多くて、すごく嬉しいことですよね。ありがたいなと思います。

今回『1』、『2』に登場していたキャストの方々も出演されていますね。

藤原:天海(祐希)さんとか生瀬(勝久)さん、松尾(スズキ)さんが今回、忙しい中『カイジ』の撮影に来てくださって。天海さんに「忙しいのにありがとうございます」と言ったら、「全然!『カイジ』好きだから、私は」って。ああいう先輩たちの力ってありがたいですよね。
福本:生瀬さん演じる坂崎が、人間秤のシーンで「さあ何やってる、(コインを)投げるんや」って言うと、映画を観ている方も、そうそう投げなきゃっていう気持ちにさせる何かがある。腑に落ちる感がすごいんですよね。それは坂崎の『カイジ2』での歴史もありますし、『2』を観ている人は気持ちが上がるシーンだと思います。そういう、以前から『カイジ』シリーズに出ていたカイジの仲間と、新しいキャスト・登場人物がコラボになっているのもいいなと思います。

新たなキャストの方々との共演はいかがでしたか?

藤原:面白かったですね。僕は今37歳ですけど、やっぱり若い人たちと仕事をすることが多くなるじゃないですか。僕とは明らかに違う教育の基盤があるので、どこで学んで、どういう思想を持って、ここにたどり着いたのかと考えると面白いですよね。新しい発想、勢い、演技のスタイルに触れてすごく刺激をもらえましたし、やっぱり勢いがある俳優っていうのは理由があるなと。すごく勉強になりました。

最後に楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

藤原:『カイジ』は本当に何も考えずに観て元気をもらえる、みたいな作品です。僕が、ちょっと感動したのが、蜷川幸雄さんが生前、金曜ロードショーで『カイジ2』を観て、翌日に「竜也、カイジって面白いな」って言ったんですよ。
福本:本当ですか、それは嬉しい。
藤原:それは僕もすごく嬉しくて。僕がやる仕事をバカにされることもあったんですが(笑)、カイジは「おもしれえなあ」と言ってくれて。今回の映画も、『3』っていうのが僕の中でも初めてで、どういう出来なんだろうなというのは、興味もあったし不安もあったんですけど、完成した映画を観て、シンプルに面白かったです。もう胸を張って、みなさんに観ていただきたい作品になったなって思います。
福本:今回、何でもない若者のカイジが、日本の為に立ち上がり、頑張るっていう、少年マンガみたいな話じゃないですか。僕はそれが面白いなと思っていて。『カイジ』はそういうことが意外とできてしまう映画なんです。荒唐無稽な使命を背負わせることも可能というか。そういうところも楽しんでいただけると嬉しいですね。